子供の外遊び、といえば「鬼ごっこ」などの日常的なものから、海水浴、ハイキングといった季節性のものまで様々あります。
外遊びで感覚が刺激されると想像力や表現力が培われたり、友達と遊ぶことで社会性が身につくそうです。
さて、肢体不自由児にはその機会が充分に与えられているでしょうか。
『ブログ、はじめまして。』で触れましたが、外出先で肢体不自由児を含め、障害児を見かけることはほとんどありません。
あらためて、我が家が積極的に家族でお出かけをする理由を考えてみました。
本人にとって経験値UP!
外の世界は刺激的!体力もつく!?リスクは…
冒頭のとおり、外に出るとたくさんの刺激があります。
川の音、風の感触、海水のしょっぱさ、新緑の匂い、太陽の光。
屋内にいる時よりもたくさんの情報が頭に入ってきて、脳の発達を促してくれると思っています。
さ~やの場合、もともと『不快』以外の意思表示をはっきりと読みることは難しいのですが、外に出ると家の中で多かった不快表現が減ります。
家の中と外を認識できていて、近場の公園でも森林公園での散策でも、外の世界の情報をしっかり受け入れているのでしょう。
ただ、キャパオーバーになると自動的にシャットダウンして睡眠に入ります…。
小さい頃から外遊びに出るというのは、装備においてもメリットが考えられます。
- 健常児と同じグッズがが使えるので外に出やすい
- 本人にも家族にも準備の負担が少ないところから始められる
- 外に出るクセをつけることで、大きくなっても外遊びを継続できる
1歳の時から軽い海遊び、ハイキングに出かけています。
外遊びによる成果は…正直はっきりとは分かりませんが、成長とともに目が覚めている時間が長くなったり、笑顔を見せたり、刺激への反応が良くなったり、そして体力がついてきた、という印象はあります。
体力を測るのもまた難しいですが、自力での排痰が上手くなったり、風邪をひいても割と早く元気になったり、たまに誤嚥性肺炎疑いで入院しても昔ほど重篤化する事はなくなりましたました。
我が家の感覚でしかありませんが、小さな刺激の積み重ねが、いい意味でストレスになって、体力アップにつながっているのだと思います。
しかし一方で、外遊びの後に体調を崩したこともありました。
寒すぎたり、水分が足りなかったり、と私たちの管理ミスが主な原因だと考えています。
ただ、外遊びにはメリットも感じているので、致命的な体調不良に陥らないよう、リスクのコントロールもしっかりして、続けていこうと思っています。
家族のチームワーク力強化
精神的な開放感、障壁を乗り越える楽しさ
私たち家族はずっと家に居るのに耐えられない人種なので、外出できないとストレスが溜まってきます。
『さ〜やに外界の刺激を与えなければいけない!』というお題目を掲げながら、半分は自分たちの気を紛らわすために出掛けています。
家族全員が精神的に健康な日々を送るためにも大切な息抜きです。
また、どこかに遊びに行きたいと考えた時に、必ず立ち塞がる段差の壁。
これを諦めずに乗り越える過程も楽しんでいると思います。
- バギーで立山のバスやケーブルカーは乗れるのか?
- 山でさ〜やを背負うのに適したベビーキャリアはどれか?
- 沖縄で海水浴しやすいビーチはどこか?
課題に取り組むチームのような一体感が家族内に出てきますし、実際に体験した後の達成感もあります。
そして、家族で旅行できたら、また一つ楽しい思い出となります。
社会に向けて主張
自分たちで暮らしやすい社会に
対外的には2つあります。
- 障害者も社会の一員であることを伝えたい
- サポートが不十分な事を主張して、過ごしやすい未来にしたい
私が子供の頃、およそ30年前は障害のある人と接する機会はほぼありませんでした。
正直に言って、自分は障害を持った方に目を向けてすらいませんでした。
現在は、支援学校と地元の小学校との交流が定期的に行われており、健常者の子供たちと障害児が接する機会が設けられています。
子供の頃からいろんな特長をもった人がいる事を知れば、価値観も変わってくるかもしれません。
外出先でバギーに乗ったさ〜やを押していると、大人たちが敢えて見ないようにしているのに対して、子供たちはじっと見てきます。
触れ合ったことがない子供にとっては奇異に映って不思議なんでしょう。
そういう子供たちに対して、こういう障害を持った子供も世の中にいるんだよ、と知ってもらうきっかけになるのは意味があることだと思っています。
もう一つ、基本的にこの世界は二足歩行者用に作られています。
バリアフリーやユニバーサルデザインは完全には浸透していません。
そんな世界に対して、遠慮せずに改善を主張していくことで、さ~やも含め、これからの障害児たちがより楽しく生きる環境を作っていきたいと思っています。
交通機関、ホテル、テーマパーク、スキー場など施設のスタッフにはしっかりとヘルプを頼みます。
これをすることで、次に来る障害を持った人への対応が変わるかもしれません。
その施設側からしても新しいニーズを開拓するきっかけになる可能性だってあります。
『遠慮していては生きていけない!』
先輩ママから教わった教訓です。
まとめ
人は環境によってつくられます。
肢体不自由児、障害児ももちろん同じです。
障害の程度によっては簡単に外出できない場合もあるかもしれませんが、自分で刺激を取りに行けない子供たちにも、外からの刺激をしっかり与えられる機会を作ってあげる必要があると思います。
さあ、出掛けましょう!
読んでいただきありがとうございました。