恐竜スポットを探していると、なんと 宿泊できる恐竜博物館を発見!!
しかも、宿泊者だけがナイトミュージアムを体験できるとのこと。
これは行くしかない!!
恐竜にハマり出した我が家。
肢体不自由児のさ〜やも一緒に古生物のお勉強です。
話題のGo To トラベルを利用し、島根の「奥出雲多根自然博物館」を訪れました。
こじんまりとした博物館ですが、展示に工夫が凝らされており、おもしろく、斬新で、そして、のんびり勉強ができました。
ナイトミュージアムの雰囲気もGOOD!
ただ、階段を上らないと展示室に行けないため、バリアフリー的には若干マイナス査定。
ホテルも研修施設っぽい雰囲気なので、あくまで博物館を満喫するのがメインですが、階段がクリアできそうなら、行く価値はあります!
奥出雲多根自然博物館
- 泊まれる恐竜博物館
- 宿泊者限定ナイトミュージアム
- メガネのミキ!?
奥出雲多根自然博物館
博物館とホテルが一体化
博物館とホテルが一緒になった、その夢のような建物は、田舎の集落に突然現れました。
一見教会の様な外観。
博物館と思わずに通り過ぎそうになりましたが、アンキロサウルスが目印となりました。
どのように博物館とホテルが一体化しているかというと、建物の1~2階が展示施設、3~5階が客室、6階がレストラン、という作りになっています。
さっそく博物館の中に入ってみると、入り口でアロサウルスが待ち構えていました!
襲いかかってくるような立ち姿!
ちょっと勝てそうにないサイズ…。3本の爪もとても鋭利です。
長い尻尾の先まで間近で観察。
アロサウルスのすぐ横の壁にはプテラノドンの手の化石なども展示されています。
アロサウルスをかいくぐり、入り口正面のフロントで博物館兼ホテルのチェックイン。
フロントの横にはたくさんの恐竜グッズが販売されていて、ちびっ子のテンションが上がり始めました。
ここの恐竜グッズはかなり充実しており、ソフビ、ぬいぐるみ、食器、カードなど、小さな博物館の割に豊富な品ぞろえです。
まだ持っていなかったアンキロ、毛生えティラノ、泳いでいるスピノのフィギアを購入。
泊まれる博物館の恐竜ルーム
ちりばめられた恐竜でオモテナシ
さて、肝心の展示を見る前に部屋に荷物を置きに行くことに。
エレベーターがあるので、フロントから各階の客室へはバギーで問題なく行けます。
このホテルにはいくつか恐竜ルームがあり、そこに泊まるのも今回の目的の一つ。
さて、ドアの前。
アンキロに迎えられた『白亜紀ルーム』の中は…
2段ベッドの4人部屋、そして随所に恐竜がちりばめられています!
当然にちびっ子のテンションはMAXに!
テーブルの上に置いてある恐竜のソフビで早速戦いごっこを始めました。
完全に子供心をとらえた企画。素晴らしい!そして思うツボ。
ちなみに、ソフビはお土産ではありませんので悪しからず。
部屋の広さは7畳ぐらい。バギーと大きいスーツケースを広げると、ちょっと狭さを感じました。部屋の作りや建物内部は「ホテル」というよりは「博物館」に寄っている感じで、若干研修施設っぽい雰囲気があります。
部屋を物色している間にも、ちびっ子は恐竜と二段ベッドに大はしゃぎ。
一方、さ〜やは博物館見学前の準備、給水とオシメ替えですが、二段ベッドでのオシメ替えのしにくいこと…。次回泊まる時は普通のベッドの部屋で。
ちなみに、部屋の中だけでなく、廊下なども恐竜づくし。
実はこの博物館ホテル、1987年に創業した「奥出雲佐白記念館」という個人の所蔵品を展示する施設だったようです。
その「個人」というのは、博物館にも名前が入っている多根弘師さん。
多根弘師さんはメガネの三城の先代社長です。
どおりで近くにメガネの三城があるわけです。
博物館のステンドグラスにもしっかりとメガネの三城が入ったデザインが。
元々はバブル期の保養所だったんでしょうか?!
さて、いよいよ恐竜の展示ルームへ!
趣向が凝らされた博物館の展示
まずはデイミュージアム
1階フロアから展示室に向かうには、唯一の難関、階段があります。
妻と私でさ~やのバギーを両脇から持ち上げ、難なくクリア。7〜8段です。
もし車イスやバギーで行かれる際には、持ち上げられそうなタイプに乗り換えるか、要介護者は抱っこで移動しておいて、スタッフに車イスの持ち上げを頼む、など相談しておいた方がいいでしょう。
さて、展示室の中に入ると、アンキロサウルスが!
っと思ったら、エウオプロケファルスでした。同じ鎧竜の仲間ですが、アンキロより鼻が上向き。
駐車場のオブジェも、部屋ドアにいたのもアンキロじゃなかったのかも…。
改めてエウオプロケファルスの尻尾の骨コブを見ると、とても硬そうで重量感があり、『こんなの振り回されたら人間ひとたまりもないな。』と恐怖。
この他にも、ステゴサウルスの尻尾のトゲや定番ティラノの頭、化石化した木(珪化木)、シダ植物化石などが展示されています。
もちろん、古生物の歴史を紹介するパネルも。
知らなかったのは、いわゆる恐竜が絶滅する白亜紀より前に、全生物種の96%が絶滅したペルム紀という時代があったということ。
時代としては、ペルム紀→三畳紀→ジュラ紀→白亜紀の順。
暑く乾燥した気候になったのが原因らしいですが、そう考えると、現代の温暖化も同じ道をたどるのでは、と思ってしまいます。
1階には古生物の他にも、鉱物の展示があり、こんにゃく石という超柔らかい石や、人工物かと思うほどキレイな四面体の黄鉄鉱が観られます。
1階をじっくり観たあとは2階へ。
いったん例の階段を経由して1階のエレベーターから2階に向かいます。階段もあるので、元気なちびっ子は自力で2階へ。
2階は海の生き物の化石や貝殻が展示されています。
まず眼に飛び込んでくるのは、ブルーの照明が浮かび上がるアートな空間。
深い海を連想させる紺碧の空間は、神秘的で美しくもあり、どこか吸い込まれそうで恐くもあり。
薄暗い照明だからこそ色が栄える貝類。
そして、青い空間でひときわ目を引く琥珀色のアンモナイト。
玉虫色に輝いていていて、大きさもあるので、存在感が抜群!
スポットライトの影がティラノサウルスみたいに見えるのも一興です。
そして、私が一番興味を持ったのは、魚の化石!
魚拓のような、たい焼きのような各種魚化石が大量に展示されています。
かつお節みたいなのも。
『この恐竜は魚を食べていました。』と本には書かれたりしていますが、実際に博物館に展示されているのは恐竜ばかり。魚の展示を見たことはありませんでした。
『こんな魚を食べていたんだ~』
圧巻の展示です。しかもちょっと雑な置き方。
コロナ禍のため展示物には触らないように、と注意書きがありましたが、通路に置いてある化石は以前は触れたんじゃないでしょうか。残念…。
魚を食べていたであろうイクチオサウルスの頭部化石もありました。
さて、じっくりデイミュージアムを楽しんだ後は、いよいよナイトミュージアムへ。
宿泊者限定ナイトミュージアム
探検隊っぽい演出で宝探し
ホテルでご飯の後は、お楽しみのナイトミュージアム。
宿泊者のみ19時〜21時の間楽しめます。
フロントに行くと、探検グッズとして懐中電灯、おもちゃの双眼鏡、クイズラリーの用紙を手渡されました。
ちびっ子はNEWアイテムをゲットし、再びテンションMAX。暗闇に双眼鏡を向け、しきりに何かを見ようとしていました。えっ?!
ナイトミュージアムは、少し照明を落としてあり、懐中電灯で照らしながら展示の説明を読んでクイズラリーに答えていきます。
そして、特別な仕掛けも。
デイミュージアムの姿とは違ったライトアップにより、恐竜というよりはモンスター感がアップ。地獄から這い上がってきたようです。
そして、足元にもサプライズ。
1階、2階とも足元にアニメーションが投影され、恐竜が迫ってくるような映像が楽しめます。
アニメーションと分かっていても、テンションMAXのちびっ子はビビっていました。
ほぼ貸切状態のナイトミュージアムは、オシャレだけど不気味でもあります。
薄暗い中を懐中電灯で進みながらクイズに答えていきました。
ナイトミュージアムも探検も楽しみ、クイズラリーの用紙をフロントに持っていくと、正解率が高ければ景品がもらえます。
景品の内容はヒミツにしておきますが、私は結構嬉しかったです。
しっかり勉強し、しっかりはしゃいだ子供たちはお風呂の後爆睡していました。まぁ、親も爆睡でしたが。
ちなみに、お風呂は内湯もありますが、歩いて3分ほどの距離にバリアフリー化された「長寿の湯」という温泉施設があり、博物館に泊まると何回でも入りに行けます。
女風呂の脱衣所には大き目のベビーベッドがあり、身長110cmのさ~やでもベッドの上でお着換えさせられたそうです。
まとめ
奥出雲多根自然博物館。こじんまりしていて、学芸員もいるわけではありませんが、芸術的な展示の見せ方や、昼も夜もじっくり勉強できる工夫が凝らされていて、とても楽しめました。
周りにはコンビニもなく、田舎の集落にポツンと建っているので、むしろ、集中して1日中博物館に浸れると思います。
また、車イス、バギーユーザーの方は階段のクリアについて博物館に相談してから行くのが良いと思います。宿泊される場合は部屋選びについても同様です。
博物館ホテルですが、あくまでメインは博物館。ホテルの恐竜ルームが予約できれば子供は大喜びですが、オトナは期待しすぎないようにしましょう。