大学がやっている恐竜博物館。
その一番の楽しみ方は、実際に化石を発掘している人の話を聴くことです。
『えっ?落ちてるんですか!化石が?!』
『モンゴルの平原でトイレって、どうやって…』
『コロナ禍の今って、発掘行けませんよね??』
外国で発掘している体験談は、恐竜だけでなく、古生物研究という文化にも触れられます。
何より「発掘ってめっちゃ楽しそう!」と気持ちが持っていかれるほどの熱意にあふれていました。
我が家はさっそく化石掘りに出掛けたくらいです。
そんな、岡山理科大学が2018年に始めた恐竜学博物館を紹介します。
恐竜に興味を持っている子供、恐竜という古生物の道に進みたい中高生には特にオススメ!
バリアフリーなので、車イスやバギーでも問題ありません。
岡山理科大学恐竜学博物館
- 先端の恐竜研究を研究員の解説付きで
- 入館無料
- 土日祝日は要予約
まずは開館日を確認!見学は無料
週末は土曜のみ、HPをチェック!
岡山理科大学の恐竜学博物館は開館スケジュールが決まっています。
基本的には平日と土曜日。大学の長期休み期間は変動するようなので、HP内の「開館日カレンダー」で確認してから行きましょう。
見学は無料ですが、コロナ禍の現在、入場者数を制限しており予約が必要な日もあります。
予約はメールのみなので、日にちに余裕をもって連絡しましょう。
ちなみに、予約の際にバリアフリーかどうか質問しましたが、車イスでも問題ないことや駐車場の場所、困ったら声を掛けてください、と親切に回答してくれました!
ポイント!
- 開館日は事前にチェック、日によっては予約
- 見学は無料
- 開館時間は10:00~16:45
岡山理科大学「恐竜学博物館」へ
山の斜面に立つ大学
恐竜学博物館がある岡山理科大学は岡山インターから車で15分。
陸上自衛隊の三軒屋駐屯地の隣にありました。
山の斜面に立つキャンパスの中で、恐竜学博物館は「東門」近くの建物。
住宅地の中を通る道が分かりにくいですが、Google先生と看板を頼りに、斜面を上っていきます。
東門にはゲートがあり、守衛さんに「博物館」と伝えると開けてくれます。
「博物館」という建物があるわけではなく、大学のキャンパス内の建物に展示が点在しています。メインの建物はこんな外観。


車で行く場合は、この建物の前が駐車場になっています。
ポイント!
- 高速岡山ICより車で15分
- 道路は迷いやすいのでGoogleマップで「岡山理科大 東門」で検索
- ゲートで入場チェックあり
博物館の随所に恐竜小物
ざぶとん、トイレマーク、恐竜時計
いざ、博物館の中へ!
入り口で迎えてくれるのは銅色のプロトケラトプス。

プロトケラトプスは、有名なトリケラトプスのように、頭の後ろが盾のように広がっている角竜類という恐竜の仲間です。
足元には恐竜の足跡化石の写真。そして、休憩するベンチのざぶとんも恐竜の足跡型。

凝ってる!
さらに気になったのが、トイレのマーク。



男性用、女性用、そして障害者マークまで恐竜ナイズされています。手作り感もありカワイイ!
肝心の化石の展示を見る前に小物が気になってしまいます。
おそらく鳩時計が改造された恐竜時計があって、時間になったら恐竜が顔を出すのだろうと思われます。

超オシャレ。人間が生きている現代は、まだつかの間です。
いろいろ見ているとスタッフの方が登場。大学院生でした。
そして、子供に入場記念のお土産をくれました。
段ボールで作るティラノサウルス(手乗りサイズ)。
もちろん、大はしゃぎ。
ポイント!
- 恐竜小物を見逃すな!
- 子供にはお土産あり(当時)
化石を発掘解説付きで見学
研究者の体験談を聞くチャンス!
メインの展示ルームは小型恐竜の化石が展示してあります。

特に岡山理科大学が主に活動しているモンゴルのゴビ砂漠でよく発掘されるプロトケラトプスの成体から幼体が多く展示されていました。

プロトケラトプスはトリケラトプスが小さくなったイメージで、体長は2mくらい。
現代の感覚で言うと、たまに街で見かけて驚くサイズの大型犬くらいでしょうか。
化石をクリーニングするラボが公開されているので、タイミングがよければ作業風景が見学できるかもしれません。

せっかくなので、スタッフの方にいろいろ質問。
- 小さいドリルで骨と石を分けるときに、失敗して骨を割っちゃうことってありますか?
→ありますね〜
- ゴビ砂漠での発掘って、どのくらいの期間行くんですか?
→1か月間くらいです。
- じゃあ、その間に発掘したものを日本に持って帰って、1年の残りの期間クリーニングとか?
→そうですね。
この他にも素朴な疑問をぶつけまくりました。
- 遠征の旅費ってどこから?
- 砂漠でトイレって?
- 現地ではホテル?テント?
- モンゴルの治安って?
- 砂漠で迷子にならないの?
- 砂漠って舗装されてないのに、道が分かるの?
- 化石が盗まれたりしないの?
- 化石って、どうやって持ち運んでるの?
- 化石を日本に持って帰るとき、検疫は?
- 今はコロナ禍で何を?
などなど。
答えが気になる方は是非行って質問してみてください。
中でも興味深かった話が2つ。
- 化石は地面に落ちている!?
- 化石は発掘現場でキレイにせず、周りの石ごと持って帰る。
1つ目。発掘というと、砂を歯ブラシみたいなものでかき分けるイメージと石をトンカチでガンガン叩くイメージがありますが、ゴビ砂漠は主に前者。
砂漠を歩いていると『あっ、化石!』と、地面から化石の一部が顔を出しているのを見つけることがあるそうです。
近所の公園で四つ葉のクローバーを見つけるような感覚でしょうか。
ちょっと憧れます。
2つ目、発掘現場では化石をキレイに露出させず、化石が埋まっている石を大まかに切り出して、形が崩れないように石膏で固めて、そのまま日本の研究室まで運ぶそうです。
考えてみたら、野外で雑に扱って、割れたり欠けたりすると本来の状態が分からなくなってしまいます。
精巧な作業ができるところまで状態良く保存する。
スーパーでタマゴを買って帰る感覚?
ちょっと違うか。
ちなみに、現地で大きな化石を運搬するのには軍が協力してくれるそうです!
対応してくれたスタッフの方は大学院の博士課程の方で、キャンパス内に点在する化石や発掘現場を再現した展示を丁寧に案内してくれました。

随所で質問攻めにし、結局3時間ほど随行してもらいながら解説してくれました。
本当に親切で、そして、恐竜が好きという熱意にあふれていました!
ポイント!
- 恐竜化石も面白いけど、発掘している人の話はもっと面白い!
構内には大型恐竜の化石も
キャンパス内に点在する恐竜
プロトケラトプスの他にもキャンパス内には大型恐竜の化石も展示されています。
一気に紹介。

トリケラトプスの頭部。間近でみるとかなりデカい!
ちなみに外国製のレプリカで、分割して輸入・輸送しているので、よく観たらプラモみたいにパーツに分かれています。

サウロロフスの脚。見た目はフライドチキンですが、大きさが半端ない。
大腿骨は3歳時の背丈ほどもありました。

デイノスクス。ワニ、だそうです。史上最大の。
遠目に見たら茶色なので、木でできているのかと思いました。

メインデッシュ!アジアのティラノサウルスことタルボサウルスの全身骨格です。
デカいっ!そして、白い!
化石というより骨みたい。
どうやら化石の色は、地層の鉱物の成分に左右されるそうで、デイノスクスのような茶色い化石から、トリケラトプスのような黒っぽいものまで様々だそうです。
レプリカでも色味は元の化石に似せている、とのこと。
ティラノ類は頭が大きい分、間近で見ると迫力があります!


展示スペースにはこの他にもたくさんの恐竜化石や書籍、恐竜時代の植物なども見ることができ、一日では満喫しきれません。




ポイント!
- 大型の恐竜化石も展示
- 化石の色は地層の鉱物に左右される
まとめ
単に子供に恐竜の化石を見せに行くという目的で博物館に行きましたが、結果として、私が化石の発掘やモンゴル事情に興味を持ち、ねほりはほり3時間も案内してもらいました。
大学にある恐竜博物館、ここで研究している人達は、恐竜が大好きで、その謎を解明したくて研究者になった方々です。
熱意にあふれています!
でないと、3時間も付き合ってくれません。
恐竜が好きな子供、古生物に興味を持ち将来その道に進みたいと考えている中高生は、是非この博物館でいろいろ質問し、その熱に触れ、刺激を受けると良いと思います。
展示が構内に点在しているので、オープンキャンパスみたいで楽しいです。