身体を自由に動かせなかったり筋肉に緊張がある障害児の場合、何もしないと筋肉やスジが固まって発育が遅れたり、変形の原因になるので、それらをほぐしてあげるリハビリが重要です!
だいたいは先生がいる施設に通ったり、家に来てもらったりすることが多いですが、「親が子供にしてあげるリハビリも大切だ」と、理学療法士さんに教えられられました。
親が子供にしてあげるリハ、『親子リハ』、その効果をいくつか挙げてみます。
親子リハのメリット①リハ頻度UP↑
まずは質よりも量で勝負!
以前、理学療法士の先生に言われました。
『私がリハビリをしに来ているのは、ご両親に教えるためでもあります。』
さ~やが生まれて1歳くらいでしょうか。
脳性まひで生まれ、これからこの子はどんな風に発育していくのか、どんな人生を送るのか、自分たち親もどんな人生になっていくのか、全く予測できない混乱期からリハは始まりました。
リハビリって専門家がするものだと思っていました。
その先生曰く、
『訪問リハでも通いのリハでも、処置できるのは1時間ほどです。週に2回受けても2時間にしかなりません。もしご両親が1日30分でもリハビリしてあげられたら、1週間で倍の時間、身体を動かすことができます。たとえ、その質が我々より劣っていても、毎日やることに意味があります。』
私たちには衝撃的な考え方でした。
ですが、確かに先生に毎日来てもらうのは無理ですし、自分たちが何かアクションを起こすことでこの子の未来が変わるなら、という想いで取り組み始めました。
親子リハのメリット②柔軟と発育
柔軟運動で順調な発育を
先の頻度にも通じるところですが、子供が小さい頃は特に筋肉や骨の発育が早いので、毎日でも筋肉やスジをほぐしてあげないと、筋肉の硬直で身体が順調に発育できなかったり、身体が変形してしまう可能性もあるようです。
あまり想像できませんでしが、例えば、仕事で1日中ずっとパソコン作業をしているのに伸びやストレッチができなかったら、眼や肩がこってくる、というようなものでしょうか。
そう考えると毎日ちょっとでも揉みほぐしてあげたくなりました。
日々、リハをしていると、数日サボっただけでさ~やの身体が硬くなっているのがわかります。
とはいえ、私たち親も人間。
仕事の疲れや出張、お酒の力でちゃんと毎日リハできているわけではありませんが、なるべく体を動かしてあげるようにしています。
あまり意気込んでも長続きしないので、寝かしつける前に1時間ほど、テレビを見ながらやっています。
親子リハのメリット③スキンシップ
触れ合いの時間は安心の時間
現在さ~やは支援学校に通っていますが、学校では先生がしっかり反応を見て声を掛けてくれます。
が、家に帰ると、家事や仕事で忙しい親はあんまり構ってくれません。
時には、ただ寝かされていたり、ただ座らされていたり。
こんな時はよくうなって不満を漏らします。
しかし、リハをしている間はかなりご機嫌。うなったりしません!
安心しているのでしょう。
伸ばされて嫌なところは筋緊張しまくっていますが、笑顔を見せることもあります。
特に、さ~やは嚥下ができないので、寝る前のリハでしっかり排痰してあげないと深く寝られないようです。
しっかり身体を動かし、しっかり排痰すると本人も疲れるので、夜しっかり寝てくれます。
本人がしっかり寝てくれると、親もしっかり寝られます。
寝る前のスキンシップ、大切です!
親子リハのメリット④リハは筋トレ⁈
成長に伴う体重を利用して
30分でも1時間でも、しっかりリハをしようとするとかなり体力を使います。
汗だくでリハしてくれる先生を見て、『体質かな?』と思っていましたが、それだけではないです!
子供の身体はだんだん大きく、重くなってくるので、それを動かすにはチカラを使います。
筋トレの専門家ではありませんが、上腕や肩甲骨、背中や腹筋など、特に上半身の筋肉が鍛えられている感じがします。
おそらく、先生方は何人も処置するので、筋肉に頼らないリハをしていると思いますが、これはこれで私にはいいトレーニングになります。
この筋トレは、さ~やを抱っこして移動する時、登山用ベビーキャリアで担ぐときに役立っていると思います。
まさにWin-Winの関係!
まとめ
秋田県の理学療法士会のサイトにこんな説明がありました。
子どものリハビリテー ションのカギを握るのは親であるといっても過言ではありません。子どもの発達の遅れや歪みの原因は、こどもの個体性の障害や疾病ではなく、養育環境として の家庭に由来することもあります。
子供のリハビリテーション 子どもの障害とは? ~概論2~ 【秋田県理学療法士会】
『自分たちでリハをする』という考え方を聞いてからは、理学療法士の先生がどんなふうに処置しているのか積極的に聞くようになりました。
実際にリハを続けることで、身体の変形も抑えられていますし、しっかり排痰させることで誤嚥性肺炎の予防や睡眠の確保もできています。
リハの時間を作るのはなかなか難しいですが、あまり頑張らずにこれからも続けていこうと思います。