日本有数の山岳観光地帯、上高地。
穂高連峰の迫力ある山並み、梓川の涼やかなせせらぎ、大正池の枯山水のような静寂、自然の美しさとともに、ウェストン碑や河童橋、徳沢など近代の登山史、文学史を体感できる複合的な観光スポットです。
上高地の良いところは、日帰りでも十分にエリアを満喫できること、山岳基地でありながら街からのアクセスがしやすいことが挙げられます。
では、 車いすやバギーでも楽しめるのでしょうか?
答えは、YES!です。
上高地へのアクセス
- 障害の程度により4パターン
- バス、タクシー、マイカーが可能な場合も
- 上高地での散策プランも考えておきましょう
上高地は通年マイカー規制、アクセス方法は?
バスとタクシーがあるが、車いすやバギーは…
国立公園の多くは自然環境を守るためにマイカー規制が設けられています。
上高地も中部山岳国立公園に指定されているため、同様にマイカー規制されており、 基本的にアクセス手段はバスかタクシーの2択です。
この路線を走るバスは出発地は違えど一般的なバスなので、車いすやバギーでそのまま乗車できるタイプではありません。
このため、障害や身体を動かせる程度によってバス、タクシー、そしてもう一つの方法のどれを選ぶかが決まってきます。
次の4択で解説します。
- 介助があればバスに乗れる場合
- 介助があればタクシーに座れる場合
- 車いすやバギーのままタクシーに乗りたい場合
- 許可を得てマイカーで入る場合
1.介助があればバスに乗れる場合
定期バスがオススメ
車いすの方でも介助があればバスに乗れる方の場合、 運賃が安い定期バスがいいでしょう。
上高地の最寄り駐車場から乗車する例ですが、以下のようなシャトルバスがあります。
◎松本方面「沢渡(さわんど)駐車場」発
- 運行期間 4月17日~11月15日
- バス運賃 往復2,300円(片道1,300円)
- 運賃の障害者割引あり(本人片道半額など、詳しくはコチラ)
- 時刻表など:路線バス | 長野のバス・鉄道ならアルピコ交通株式会社
◎高山方面「平湯あかんだな駐車場」発
- 運行期間 4月17日~11月15日
- バス運賃 往復2,090円(片道1,180円)
- 運賃の障害者割引あり(本人半額など、詳しくはコチラ)
- 時刻表など:高山・平湯温泉から上高地へ | 濃飛バス公式サイト
※それぞれの駐車場で駐車料金はかかります(普通車600円/日)
最寄り駐車場マップ
バス乗車できるのであれば、この他にも東京や大阪などからの直行バス、松本発の路線バスでも上高地へ入れます。
2.介助があればタクシーに座れる場合
駐車場などで待機しているタクシーでOK
バスの段差を超えるのは難しいが、介助してもらえばタクシーの座席に座れるという方の場合、 普通のタクシーでOKです。
例えば、最寄りの駐車場までマイカーで行き、待機しているタクシーに乗車、車いすはたたんでトランクに積んでもらえば上高地に入れます。
ちなみに、タクシーは定額運賃制度になっているので、安いタクシー会社を待たなくても大丈夫です。
料金の一例
- 沢渡地区〜上高地4,200円(障害者割引後3,780円)
- 平湯地区〜上高地5,000円(障害者割引後4,500円)
平湯地区からは有料トンネルを通過するので、別途片道1,580円がかかります。
3.車いすやバギーのままタクシーに乗りたい場合
介護タクシーを予約しましょう
タクシーの座席に座れないので、車いすやバギーでそのままタクシーに乗りたい方の場合、介護タクシーを予約しましょう!
介護タクシーは各会社で多くの台数を所有していません。
平湯、沢渡、もしくは高山、松本からの場合でもタクシー会社に連絡し、予約するのが確実です。
タクシー会社の中でも介護タクシーの確認が取れたのは下記の2社でした。
- アルピコタクシー 電話0263‐93‐2700
- 松本タクシー 電話0263‐33‐1141
タクシーの配車を管理している所に連絡しても予約してくれるようですが、直接連絡した方がレスポンスが早いでしょう。
- 沢渡共同配車センター 電話0263‐93‐3336
- 上高地共同配車センター 電話0263‐95‐2350
タクシーを予約して乗車する場合は無理に近場の駐車場に停める必要はありません。
例えば、前泊や後泊する宿に車を停めさせてもらうことができれば、そこにタクシーを呼ぶことで駐車場代が節約できます。
また、平湯、沢渡周辺で利用できる介護タクシーは、トヨタのジャパンタクシーと日産のNV200の2種類があるようです。
どちらのタクシーも乗せられる車いすなどのサイズに制限があります。
◎ジャパンタクシー
幅70cm、前後の長さ120cm、高さ130cmまで
◎NV200
幅69cm、前後の長さ102もしくは104cm、高さ130cmまで
日産:ライフケアビークル(福祉車両)|NV200バネット チェアキャブ
どちらも車いすなら問題ないでしょうが、大型のバギーは難しいかもしれません。
タクシー会社によってはミニバンサイズの介護車両を所有しているところもありますので、上記2車種でサイズが収まらない場合は相談してみてください。
ただし、最寄りの営業所にない場合は配送料がかかる場合があります。予約の時に確認しておきましょう。
4.許可を得てマイカーで入る場合
警察署に事前申請する
本人もしくは同行者が障害者手帳を持っている場合、警察署で許可が得られればマイカーで通過することもできます。
長野側だと松本警察署、岐阜側だと高山警察署に事前申請します。
行くのが平日で余裕があれば警察署に直接行って申請、もし遠方からや休日に行くのであれば郵送かFAXで申請できます。
コチラのサイトに詳細が書かれていました。
注意点としては、上高地に入った後の駐車場でも駐車料金が必要なこと(最大1,00円/日)、基本的にバス・タクシー路線なので通行に気を遣うようです。
タクシーを予約するパターンと同じで、日程がしっかり決まっている場合は、選択肢として考えられるでしょう。
まとめ
上高地のリサーチも
上高地へのアクセス方法が決まったら、上高地での散策プランも立てましょう。
というのも、帰りのバスやタクシーをどこで乗るか、出発時間を見たり予約しておく必要があるからです。
アルプス観光協会のHPに車いす用の詳細な散策マップがあります。
- マップ:https://www.alps-kanko.jp/pamph/kami-assist.pdf
- アルプス観光協会HP:アルプス観光協会
マップには障害者用トイレ情報や車いす可/不可の情報が明確に記載されているので、大変便利です。
ちなみに、河童橋も石のスロープがあるので渡ることができます。
上高地での散策、前後の旅行プランも含め、介助される方・介助する方も楽しめるような、ゆったりした計画を立てるのがオススメです。
景色も空気もキレイなところです。ただ座って山を眺めたり、川の流れをみているだけでも楽しめると思います。