肢体不自由児との 初めてのアウトドア遠征。
どこに行こうかと考えたときに、登山基地であり観光地でもある場所がアクセスしやすいと考えました。
旭岳、蔵王、乗鞍、駒ケ岳、いろいろ浮かびましたが、選んだのは上高地。
ホテルやカフェなどがあり道路も整備されていながら日本有数の山々を眺められる。
何より日帰りできる!という、 もしも何かあった時にすぐにエスケープ(緊急避難)できるところが導入にもってこいのスポットだと思いました。
さ〜や3歳のときの冒険記です。
上高地散策
- 登山の雰囲気が味わえる観光地
- 障害の程度にあったアクセス方法で
- 五千尺ホテル近くにベッド付き障害者トイレあり
上高地へのアクセスを調査
抱っこで移動できたので、バギーはく車にデポ
まず、上高地へのアクセスについて調査しました。
上高地はマイカー規制があるので、最寄りの駐車場からバスかタクシーに乗る必要があります。
*障害者手帳があり、事前申請ができれば上高地までマイカーで乗り入れることもできます。
3歳のさ〜や、体重は10kgほど。小さいバギーに乗っていましたが、まだ抱っこで楽々移動できます。
タクシーは便利だけど、ちょっと運賃が高いのでバスの座席に抱っこ乗車することに。
バギーも駐車場に置いていくことにしました。
日帰りなので、散策マップをサラリと眺め、河童橋と梓川、大正池をめぐるゆったりプラン。
ということで、当日は「平湯あかんだな駐車場」までマイカーで行き、シャトルバスに乗り込むことにしました。
上高地を散策するので、もちろん 登山用ベビーキャリアを持参!
あかんだな駐車場から、いざ上高地へ
峡谷をくぐりぬけると山岳基地「上高地」
平湯あかんだな駐車場から上高地まではバスで約30分、安房トンネルを抜け、谷間の道を通って上高地まで向かいます。
1997年の安房トンネルの完成で劇的にアクセス時間が短縮されたようです。
20年ほど前の学生時分にはまだ安房峠を越えるバスがあって、バス同士のすれ違いにハラハラしたような記憶が…
さて、上高地への入り口はまさに関所といった狭い谷底にあります。
入り口の釜トンネル脇には途中下車しないと入れない温泉「卜伝の湯」があり、いつも興味をそそられます。
上高地のバスターミナルに到着すると、それまで暗い谷間だったところからぱっと視界が開け、背の高い針葉樹の森と凛とした空気が迎えてくれました。
ベビーキャリアで上高地を散策!
河童橋、帝国ホテル、大正池へ
バスターミナルでさ~やをベビーキャリアに乗せ、いよいよ出発。
ちなみに、10月上旬で肌寒かったので、フリースとウインドブレーカーを着せ、ニット帽をかぶせました。
天気も良かったので、気持ちよいスタート。
季節の訪れが早い山、下の方は紅葉がはじまっていました。
散策コースは、バスターミナル→河童橋→ウェストン碑→大正池をメインとして、ホテル前のベンチでランチしたり、お店に入ってみたり、寄り道しました。
森の中に入ると少し寒くなってきたので、ベビーキャリアの上から大人のフリースを重ねて防寒。妻もさ〜やを背負ってみたり。
梓川沿いの散策道は木道であったり、土の道であったり、平坦な歩きやすい道です。
帝国ホテルの中も見学。外観のつくりにも現れているとおり、木と石を基調とした風格のある雰囲気でした。
終点の大正池に着く頃には、ガスが降りてきたので遠くの景色は見えませんでしたが、立ち枯れの木々がより物々しく見えました。
お昼頃に上高地に到着し、4時間ほど散策した後、再びバスで平湯まで帰ってきました。
最後にトイレ問題
ベッド付きの障害者用トイレもあり
観光地でのトイレは誰もが悩むところですが、上高地のような登山基地ならなおさらです。
アルプス観光協会の上高地散策マップに 障害者用トイレ情報も記載されていました。
https://www.alps-kanko.jp/pamph/kami-assist.pdf
さ〜やのオムツ替えで利用したトイレは、五千尺ホテルの下流にあるトイレでしたが、折りたたみ式の大きなベッドがあり、大人でも余裕で寝られそうでした。
っと、そのベッド横に小さな小銭入れを発見!
失礼ながら中身を拝見すると、カードやお札がぎっしり入っていました。
交番が無いと思ったので、隣の五千尺ホテルのフロントに預けてしまいましたが、後から調べたらちゃんと派出所がありました。
オムツ替えに限らずトイレでは落とし物に注意しましょう!
ちなみに、上高地の落とし物ランキングは、1位財布、2位携帯、3位サングラス、だそうです。
まとめ
初めてのアウトドア遠征、成功!
さ〜やはまだ小さかったので、『ちょっと大きめの赤ちゃん』ぐらいの感覚で移動、散策ができました。
上高地バスターミナルからはランチの時をのぞいて担ぎっぱなしでしたが、さ~やは不満はなく、むしろ、揺れが心地良いようで、結構な時間寝ていました。
日本有数の名山、そして梓川の流れはほとんど覚えていないかもしれませんが、澄んだ空気はしっかり感じてくれたと思います。
そして、標高1500mでも日常と同じように胃ろうでのご飯、吸引といった医療ケアができたのは大きな収穫でした。
これをきっかけに、次なるステップに進むのでした!